英語学習者にとって、少しややこしく感じる文法の代表格が “関係代名詞” です。でも実際は、そんなに難しくありません。複雑に見えるのは、説明が長くて難しくされがちだからです。長い説明は嫌ですよね。

シンプルに理解すれば、「なるほど!わかる!」と感じられる、とても便利で使い勝手の良い文法です。関係性を正確に伝えられるので、CNN や BBC のニュースなどでも日常的に使われています。

今回は “whom” を中心に、確実に理解して使える方法を 例文付きでわかりやすく解説 します。

なぜ “whom” は今も重要か

英語学習者の多くは「whom は古い」「口語では who で十分」と思いがちです。確かに日常会話では who が多く、省略も可能です。しかし、文法的には who と whom は明確に違います。

🔑ポイント:who と whom は明確に違う
📌who → 主格(動作をする人)
📌whom → 目的格(動作を受ける人)

冒頭でも述べましたが、CNN や BBC などのニュース記事でも whom はフォーマルな文章で、今も頻繁に日常的に使用されています。海外のニュースを読んだりエッセイを書く必要のある人は、ぜひこれらの理解を深め、これを機に使いこなせるようになりましょう。

✔︎例:CNN
“General Mark Milley, whom President Trump awarded the Presidential Medal of Freedom, …”

✔︎例:BBC
“The woman whom I met yesterday was very helpful.”

つまり、whom を理解することは フォーマルな英語を読み書きする力に直結します。

whomっていつ使うの?

“whom” は「誰を・誰に」を表す言葉で、文の中で 動作をされる人(目的語) に使います。

ステップ1|主文をまず作る

📌まずはシンプルな文章を作ってみましょう。

例文の主文:
✔︎The employee resigned the next day.
社員は、翌日辞めた。

✔︎The boy cried.
男の子は、泣いた。

✔︎The girl stood up.
女の子は、立った。

これらの文章が、主文という核をなす部分です。この文章の、本質を支える主要な部分です。このままで「何が起こったのか」十分意味が通じますよね。社員が辞めた、男の子が泣いた、女の子が立った。

学習ポイント

📌上記の文章は、下記から成り立っています。一見簡単に思いますが、ここは大切なポイントなので、しっかり確認しておきましょう。ここを押さえておくと、whomを使うことが簡単になります。

✔︎主語(The employee)
✔︎動詞(resigned)
✔︎補語/時間表現(the next day)

練習1:主文を作ろう

📌The student / passed the exam / yesterday.
📌The teacher / arrives / at 9 a.m.
📌The manager / announces / the new policy.

✔︎まずは「誰が何をしたか」を正確に書くことを意識しましょう。

ステップ2|関係節whomで文章を装飾

さて、誰が何をしたか、を書くことができましたか。ここでは、「社員は、翌日辞めた」「男の子は、泣いた」「女の子は、立った」この三つの文章を例にし、解説します。

これだけでも十分「何が起こったか」の意味は通じますが、さらに情報を付け足し「人物を特定したい」わけです。ここでwhomの登場です。whomを使って、追加情報を付け足します。

📌The employee | whom the manager had scolded | resigned the next day.
社員は、翌日辞めた。どの社員かというと、「マネージャーに叱られた」社員のことです。さて、これでどの社員かが特定できました。whomの役割は、ここにあります。

📌The boy | whom his mother had called | cried.
母親に呼ばれた男の子が、泣いた。

📌The girl | whom the teacher had praised | stood up.
先生に褒められた女の子が、立った。

✔︎| | 部分が関係節(whom 以下)
✔︎メイン文は The employee resigned the next day
✔︎関係節は 誰のことかを説明する装飾

練習2:関係節で装飾

ここでは、関係性を明確にする情報(関係節)を付け足す練習をしましょう。

✔︎主文:The student passed the exam.
修飾追加:The student | whom the teacher had encouraged | passed the exam.

✔︎主文:The teacher arrived at 9 a.m.
修飾追加:The teacher | whom the principal had invited | arrived at 9 a.m.

📌ポイント:主文を崩さず、情報を追加する練習が理解を深めます。ぜひ自分の身の回りのことを、文章にしてみましょう。

ステップ3|色分け・視覚化

📌文章構造を色で分けると理解が深まります。

✔︎主文(主語・動詞・補語)
✔︎関係節
✔︎関係代名詞 “whom”

The teacher | whom the principal had invited | arrived at 9 a.m.

まとめ|whomの使い方を押さえよう

この記事で学んだ whom の基本と活用法 を整理します。フォーマルな文章やニュース記事でよく使われる関係代名詞を理解して、読み書きに活かしましょう。

1. whomの基本の役割

✔︎目的格(動作を受ける人) を表す
✔︎主語は who、目的語は whom
✔︎日常会話では who がよく使われるが、書く・読む力の向上には whom の理解が重要

2. 主文+関係節で文章を装飾

①まず主文を作る(誰が何をしたか)
例:The employee resigned the next day.

②関係節 whom で情報を追加
例:The employee | whom the manager had scolded | resigned the next day.

📌| … | 部分が関係節
📌主文は崩さず、誰のことかを特定する情報を付け足す

3. 練習のポイント

✔︎身近な出来事で主文を作って関係節で装飾する
✔︎主文 → 関係節 の順で文章を組み立てる
✔︎色分けや図で視覚化すると理解しやすい

4. その他の使い方

✔︎前置詞+whom
例:The student to whom I spoke was very helpful.

✔︎疑問文でのwhom
例:Whom did you meet yesterday?

重要ポイントまとめ

whomは「誰を・誰に」を表す目的格の関係代名詞で、主語のwhoとは明確に使い分けます。文章では、主文を崩さずに関係節で人物や情報を付け加えるために使います。日常会話ではwhoが多いですが、フォーマルな文章やニュース記事ではwhomの理解が不可欠です。まずは主文を作り、そこにwhomで情報を装飾する練習を重ねることが習得の近道です。

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