英語上級者になると、ニュースや公式文書でよく目にする表現の一つに Be to + 動詞の原形 があります。日常会話ではあまり使われませんが、「予定」「義務」「運命」「条件」など、フォーマルで確定的な状況を表す際に用いられます。この記事では、その多面的な使い方を例文とともに解説します。

📌Be to + Infinitive: Mastering the Formal English Expression Found in News and History

フォーマルな未来を表す “be to + 動詞の原形”

英語上級者を目指すなら、ぜひ押さえておきたい構文が “be to + 動詞の原形” です。この表現は日常会話よりも、ニュース・公式発表・試験英語・文学作品など、フォーマルな文脈で頻出します。

📌意味は文脈によって変化しますが、大きく分けて次の4つが中心です。

✔︎起こる可能性が高い未来の出来事(予定)
✔︎人間によってコントロールされる未来の出来事(計画・指示)
✔︎過去形での「運命」や「結果的に~することになった」
✔︎if節を使った「~するためには」条件表現

この記事では、それぞれの使い方を、例文とともに詳しく解説します。ぜひ使いこなせるようにしましょう。

🗓️ 起こる可能性が高い未来のイベント

まず、いちばんよく目にする「決まっている未来の予定」を表す使い方から紹介します。
📌Be to for likely future events

意味と使い方

「~する予定である」「~することになっている」という意味で、決まっている未来の予定や公的スケジュールを表します。ニュースや公式発表では、この用法が最もよく使われます。BBCやCNNを読んでいると、必ずと言っても良いほど目にします。

📌be + to + 動詞の原形
= ~する予定である(未来の公式な予定など)

例文

✔︎The Prime Minister is to visit the United States next week.
首相は、来週アメリカを訪問する予定です。

✔︎A new law is to take effect in January.
新しい法律は、1月に施行される予定です。

✔︎The concert is to be held at Tokyo Dome on Sunday.
コンサートは、日曜日に東京ドームで開催される予定です。

📌Tips:この “be to” は “will” よりもフォーマルで、「決定事項」「公的発表」というニュアンスを持ちます。ニュース見出しでは “is” が省略されることも多いです。上級者の皆さんは、ぜひ知っておいてください。

例:Japan PM to visit U.S.
日本の首相、米国訪問へ

🏛️ 人間によってコントロールされている未来のイベント

Be to for controlled or planned events ※この場合、人間によってコントロールされていないのは何かというと、例えば自然災害などです。

意味と使い方

この用法では「~しなければならない」「~するよう命じられている」という、義務・指示の意味を表します。命令文よりも丁寧かつフォーマルな印象を与えます。

📌be + to + 動詞の原形
= ~しなければならない / ~することになっている(人の意志・計画による)

例文

✔︎You are to submit your report by noon.
正午までに、報告書を提出しなければなりません。

✔︎All guests are to wear formal attire.
出席者は、全員フォーマルな服装を着用することになっています。

✔︎The students are not to leave the classroom.
生徒は、教室を離れてはいけません。

📌否定形の “be not to” は「~してはならない」となり、フォーマルな禁止表現としても使えます。学校・職場・公共施設・規則文などでよく見られます。

🚫 “be not to” の具体例

✔︎Students are not to wear shoes inside the gym.
生徒は、体育館内を土足であがってはいけません。

✔︎You are not to smoke inside the building.
館内で、タバコを吸ってはいけません。

✔︎Visitors are not to enter this area without permission.
許可なく、この区域に立ち入ってはいけません。

このように「人の手で決められた未来の出来事」には “be to” がよく使われます。

⏳ 過去形での使い方:「~することになる」

Was/Were to: expressing destiny or fate

意味と使い方

過去形の “was to / were to” は「後に~することになる」「運命的に~した」という意味で、物語・歴史・伝記などでよく使われます。これはとても便利な使い方です。使いこなせるよう、これを機会に練習しましょう。

📌was/were + to + 動詞の原形
= のちに~することになる(運命・結果)

例文

✔︎He was to become one of the greatest scientists of his time.
彼は、後にその時代を代表する科学者の一人となることになる。

✔︎They were to meet again ten years later.
彼らは、10年後に再び会うことになる。

✔︎The plan was to change the course of history.
その計画は、歴史の流れを変えることになる。

この “was to” 構文には、「当時はまだ知らなかったが、結果的にそうなった」という物語性があり、試験やニュースなどの英語読解では頻出です。

もちろん日常会話でも便利に使えます。例えば、知り合った当初は単なる同期だったが「私たちはその後、結婚することになる」、なんとなく買ったアパートだったが「その物件は、その後高騰することになる」、普通の人だと思っていたクラスメイトについて「彼はその後、革命を先導することになる」など。

⚙️ ifを使った使い方:「~するためには」

If we are to ~ : expressing necessary condition

意味と使い方

“if + be to” は「~するためには」「~したいのなら」という条件を表すフォーマルな表現です。「もし~したいなら、~しなければならない」という文で使われます。ちょっとややこしいですよね、例文を見ながら読み解いていきましょう。

📌if + 主語 + be to + 動詞の原形
= ~するためには / ~したいのなら

例文

✔︎If we are to survive, we must work together.
生き残るためには、協力しなければならない。※例えば、遭難した場合などです。〜するためには、〜しなければならない。この場合、そうしないと生き残れません。

✔︎If you are to succeed, you need to stay focused.
成功したいなら、集中力を保つ必要がある。※これも絶対的な条件ですね。気が散っていたら、どの分野でも成功するのは難しいです。

✔︎If peace is to be achieved, both sides must compromise.
平和を実現するためには、双方が歩み寄らなければならない。※これも絶対的な条件です。そうしないと、争いに発展します。

この表現は、議論・提案・スピーチなどでも好まれるフォーマルな構文です。特にIELTSやTOEFLなどのアカデミック英語でも得点源になるので、ぜひ、これを機会に使いこなしてください。

💬 “be to”と似た表現との違い

ここでは、be to と似た表現で、いずれも未来を表す文法の使い方を紹介します。それぞれの表現がどのように異なり、どんな場面で使い分けるべきかを見ていきましょう。

Be to vs. will / be going to / be supposed to

表現意味ニュアンス
be to公式・予定・義務決定・指示などフォーマル
will意志・未来カジュアルで主観的
be going to近い未来・計画口語的で柔らかい
be supposed to想定・義務「~するはず」「~すべき」など曖昧さあり

👉 be to は「外部の決定」「公式な予定」「運命的結果」など、個人の意志よりも社会的・制度的な力を表すのが特徴です。

🪶 よくある誤用と上級者のコツ

ここでは、よくしがちなミスについて解説します。

Common mistakes & pro tips

よくある間違い

He will to visit London next week.
→ “will” と “to” は共存しません。
⭕️ He is to visit London next week.

❌ If we will to succeed, we must try harder.
⭕️ If we are to succeed, we must try harder.

✔︎
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仮定法シリーズ第2回。ファーストコンディショナルの形と使い方を、例文と注意点でやさしく解説。

🔑 上級者の英語学習のコツ

📌ニュース英語を読むときは “be to” に注目
→ “be to” の有無で「公式発表かどうか」が分かります。

📌英作文で使うときは “formality” を意識
→ 試験やビジネスメールでは、 “will” より “be to” が自然なことも。この記事内の表を参考に、どちらが適切かを判断できるようになっておきましょう。

📖 まとめ

“be to + 動詞の原形” は、フォーマルな英語で未来・義務・運命・条件を表す多機能な構文です。使いこなすと便利であるばかりでなく、ニュース、スピーチ、文学などでも頻出、上級英語へのステップアップにもはや欠かせません。

📌復習

用法意味例文
未来の予定~する予定であるThe meeting is to start at 3 p.m.
義務・指示~しなければならないYou are to follow the rules.
運命~することになるHe was to become famous.
条件~するためにはIf we are to succeed, we must act now.

“Be to” は、フォーマルで確定した未来を表す英語表現です。使いこなせれば、あなたの英語は一段と洗練された印象になります。

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